不況の結末

コンビニもスーパーもない場所で飢えたとき
紙幣は何の役にも立たない


飢えから人を救うのは
大地が育てた米であり
小麦であり野菜であり
海が育んだ魚や貝


人間は地球に養われているのだ


現金に命は養えない


カネは人を育てない


流通価値が無くなれば
交換手段として貨幣価値が無くなれば


紙幣は尻を拭くには固過ぎ、メモにするには余白が少なさ過ぎる紙切れでしかない


口座の残高は数字の無意味な羅列でしかない



世界同時不況で
人間は紙が食料ではなかったことを学ぶ


そして
数字が自分を生かす糧を与えてくれないことを理解する


その頃には
無言で育みを与えてくれていた大地が
消え去っていたことを認識する