家族こそ地獄の始まり

すべての人は地獄に生まれ落ちる


顔をもたないのっぺらぼうの化け物の中に


自分が父親 母親 祖母 祖父 姉 兄 伯父 伯母
などだと信じることで、顔を体からぶち抜いた無責任な人間の間に


そして、生まれ落ちた自らも、与えられた名前のものだという錯覚に蝕まれ、顔を失う。


世の中の人間と呼ばれるものたちがみんな同じ顔になりたがるのは、生きる責任を放棄したいがためである。


自らを失う痛みをすべての人類が知っている
何より、今もその痛みの時間以外はあり得ない。

あまりに痛むので、感じないようになる。
すると、便利なことに他者を殺すこと、傷つけることが平気になる。
戦争も大量虐殺も、リストラも、家庭内暴力もなんでもできる。


それはすでに、人が生きる地ではないのだから

それゆえ
みんな地獄を望んでいる
地獄が大好きである


そしてそれほどに、実はヒマなのである