人間には癒しきれない傷がある

‘人間では癒しきれない傷がある’


おそらくは、潜在意識、心の傷のことを指すのだろう


ネットをちょちょいと操れば
いま流行のスピリチュアルの掛け声に乗って
村祭りに並んだ屋台のように
ありとあらゆるリーディングとヒーリングの
サイトが出てくる


掘り返されたアリの巣のようだ


だが、究極の傷を癒すテクニックは
おそらく人間自身が手に入れることはできない



残念だが人間には限界がある


明るく楽しく生きましょう
好きなことをやりましょう


ポジティブに聞こえながら
裏を返せば、これは敗北宣言だ


何かをあきらめ放棄しました
ここから先へは参りません
私たちはここで限界のある存在として
地球で転生を繰り返します
を、選択した人間たちとそれに追随する人たちの
選ぶテクニック


そこでエゴの傷は癒せない

エゴそのものを扱えないから


この傷を癒すのは痛い


だからおそらくは
エゴのある人間にこの傷を癒す技法を
編み出す、習得することは不可能なのだ


人間は今のところエゴそのもの
言語中枢をつかってコミュニケーションを
はかっている間はエゴの傷から
抜け出すことは難しい


言語を超えた本来のコミュニケーションスキルを
取り戻す、思い出すことによってしか
癒しきれない傷があるのだが
それは技術でたどり着くものでなく
エゴが自己成長を容認して
傷の受容を為しえたときに起こるもの


グルやマスターの指導によって為しえるものではない


どこまで成長していきたいかを
個人が感情で選択して
意志がどこまでそれをサポートして
最後には意志が退場する必要がある


意志は自ら退場することは
まずありえない


意志の盲点を突いて
傷の癒しを援護するエネルギーサポートの
コミュニケーションに応じる勇気があるかないか


狂人と呼ばれる勇気をもつか
孤独に耐える勇気をもつか


自己が経験した痛みのすべてを
受容し容認し自覚し
手放す勇気が持てるか


その瞬間から
まったく人生が変わる勇気を持つことができるか


昨日まで家族、恋人、同僚、友人と思っていた存在が
消滅する危険に耐えられるかどうか