昆虫人間

今朝になってようやく、外側で他者(人間)がしていることと
自分が昆虫に抱く思いとが合致していることに気づいた


昆虫は頼みもしないのに庭の草につき
勝手に食い荒らし、自らの生存への欲望を満たす

他者が社会とよばれるくさっぱらでしていることも
同じだ


自らの膨張への欲望のままに
木を切り倒し地を踏み固め
わずか20名ほどの人間しか住み暮らせないような
建築物を建て、それで利潤があがればいいという
イナゴのような行為を営む


耳元で不快な羽音をたてて飛び回り
隙あれば皮膚に針を立てて生き血をすすって
わが身を生かそうとする蚊の類に似た行為も
駅前でティッシュを強引に配ったり
頼みもしない宗教の勧誘にチャイムを鳴らしたり
無邪気さを装って愛想よく近づいてきながら
他人の懐具合にしか興味のない雇われ店員が
している行為と、まったく同じだ


つまり、人類という存在は、昆虫レベルから
進化していない

その誇る技術でさえ、自然界に存在する
まさしく昆虫や鳥、魚、爬虫類、樹木、葉花の
身に着けたサバイバルメカニズムを流用して
自分たちが使えるように応用したに過ぎない

人類にオリジナリティはない

人類は複写を生業とする生命体で
うぬぼれているほどには意識の進化や
技術の独自性など、何も持ち合わせていない


この生に生まれて、ずいぶん人類のことを
客観的に観察することはできるようになった


この遅滞意識の進化を待つには
まだ相当の年月がかかる


どこで気づいて、情を捨てて
自己の自立進化へ舵を切り替えるか

未だ脳のコントロール中枢で情にまつわる
エネルギーのリリースが進みにくい

粘着質で幼児的な無力感のまとわりついた
非常に扱いにくいエネルギーだ


リリーステクニックを手に入れながら
それを使わせることを忘れさせる
マインドのエゴ

強力な忘却システムの存在も手ごわい


ことあらば、忘却へ忘却へと意識を運ぼうとする

意志を喪失させようとする


それでは昆虫人間と同類になってしまう

意志を意志するか否かは個人の選択の問題だ


個人の選択力を行使する人間を
昆虫人間は甚だしく憎む

自らと同じ領域にとどめておきたいのだ

進化への意志を放棄させたがる


その気持ちはわかる

今まで自分も散々それをしてきたことの
認識がある


過去何生にもわたって
他人の進化を妨害しようと
恐怖によって人をコントロールしようとしてきた


恐怖で人をコントロールし、支配したいという
欲望があればこそ、人は恋に墜ち、親になり
次の世代を残そうとする

繁殖活動そのものが、恐怖を糧にした
生存コントロールであることに
人類は未だ気づけない

無知は本当に恐ろしい

自分たちの繁栄が善きことであると
無条件に信じきってしまう愚かさとウブさ加減・・・

なんとかわいいものたちよ・・・

神がそう思うことも無理はないのか